3冊読みますた。

 こんにちは、こんばんは、お早うございますね。どうも、「働くことが生きる意味だと思っている人生スカスカなカスには全員死んでもらいたい会」副理事の私です。

 久しぶりに書評です。芥川賞を3冊(『飼育』は含まない)読んだのですが、どれもまあ、一冊でブログ書き切れるほどは思うことがなかったので、3冊まとめて感想をダラダラ書きたいと思います。

 芥川賞は純文学に対して与えられるといいはしますが、所詮文学賞なんて(当然ではあるが)話題作りのためのものですよね。トーシロが評価なんて偉そうかもしれませんが、火花読んでて、意外と大したことないな、と思いました。まあこれもバイアスかな。本って読む前に著者の情報が少なくともあるから、偏見がどうしても入るんですよね。具体的にいうと、私は今回『中卒の作品』, 『芸人の作品』, 『19歳の作品』を読みました。どれも話題性に富ます。感想は下に書きますが、異なる感想を持ったので、「話題性=話題性だけ」という偏見は持ってないはず(持っていたなら読まないな)。前置きが長い。じゃあ

 

苦役列車

 今回読んだ3冊の中では1番、文章がしっかりしてました。日々のつまらなさを厭世的に書いてる割には、ねちっこさがない文章でした(主人公はひねくれているが)。別に語彙力に自信がある訳では無いんですが、他の本を読む時に比べて、結構知らない語彙が多かったです。

 私小説ってあんまり読んだことないんですが、自分のことについて書く時に、三人称で描くのってどんな感覚なんでしょうね。著者情報を知らんので、これだけ読んでると若干、話が飛んでるような気がしなくもなかったです。

 ストーリーは別に、別段面白くもなかった。でもまあ大体そんなもんですよね、「ぽさ」が大事、知らんけど。飲み屋の1件で日下部とはスパッと別れるのかと思ってましたが、ダラダラと疎遠になる感じなのが意外でした。日下部という「普通の学生」に対して抱く嫌悪の描写が上手いと感じました。『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』の方では、てっきり、川端賞の発表を待つ描写にページが裂かれると思ってましたが、全然そんなことはなかった。『苦役列車』の時期から段々と上向きになってると見せかけて、ダーン!と打ち切りって感じですね。古い作家に着いてのところはマジで全然知らんから何とも。

はーぁ、特に思うこと無かったのに分量増やそうと思うと箇条書きみたいでカスみたいな感想になったな。何が「書評」やねんという感じ、まあいいわ。


蹴りたい背中

 私は芥川賞にも文学全体にも詳しくないので、この作品はごく最近知りました。綿矢りさは19歳で最年少受賞だそうです。分量が少なくて2時間もかからなかった。

 文章に関しては、19歳っぽいなと感じました。主人公は高校生なんですが「多感」が大いに反映されてる文章です。『桐島、部活やめるってよ』も朝井リョウが20歳程度の頃の作品ですが、同じ印象を受けました。所謂文豪の文章が荘厳で落ち着いていてその描写は技術で引き伸ばされてるのに対して、若い作家の文章は若者らしく、短い時間の間に様々な感情を抱いてそれらを書き尽くすっていう、感覚に依った書き方です。一瞬に浮かぶ気持ちを書き尽くすってのは才能がいることでしょうけど、歳とった時どうすんだろ。瞬間の気持ちの動きを飽きなく見させる必要があるのか、句読点や短文, 体言止めが多くて、疾走感がありますね。個人的にはあまり好きではないんですけど。疾走感の為には詰まづかないことが重要なので、語彙レベルも高くはないですね。まあね、あんまりこういう本読まないんで、話半分で聞いてくださいよ。

 話逸れるんですけど、青春小説って人気出ますよねー。そんなおもろいか?と思いますけど。みんな、そういうの読んで青春を回顧するんですかね?それとも、自分の青春に何かあったと思いたいんですかねー???

  ストーリーは「蜷川(にながわ)と知り合って蜷川の家に行って回想挟んで蜷川の家に行って蜷川の背中を蹴って蜷川とライブに行って蜷川の家に行く」って感じです。うろ覚えだけど。恋愛感情なんだろうけど、主人公自身それと自覚せずに「蹴りたい」という気持ちで表すのは斬新だと思いました。


『火花』

  つまんなかったですね、ストーリーに期待してた訳でもないけど。前情報が「売れない芸人の話」とだけ聞いてたから思ってたのと違った。終わり方がマジで分からんかった。

 初め数ページはいい感じだったんですけどね、話が進んでくると段々、先に上げた2つの文章のうちどっちつかずみたいな感じですかね。カッコつけてるんだけど、大した技術もないから冗長に思えました。自分の経験を基にしてるとこも多いんでしょうが、些細な一言で一々回想入られちゃあ、話進まんでしょう。

 誰でも書けるとは言いませんが、芸人がその知名度の為に芥川賞取って300万部突破(これはすごい)するってのは、Twitterきゃりーぱみゅぱみゅが政治にごちゃごちゃ言うようなもんですよ(この例については芥川賞に値するものがないのでインパクトだけで言いました)。いいなー。



ほぼ批判に終わりましたね、我ながら可哀想です。あまりに人のことを言うと「お前はどうなんや」 と言われますが、私の書く文章は(ご覧の通り)大したことありません。私の批判は(性格の悪さからか)過度に言ってる所があるので、申し訳ございません。更に、この感想は本全体を読んで、さらに著者へのバイアスがある状態で持った「なんとなく」を無理に言語化したってものなので、めちゃくちゃになってるとこもあるかも知れません。逃げ。

 芥川賞は日本で最も有名な文学賞ですから、商業的効果も1番でしょうね。純文学の定義は曖昧とはいえ、こんなもんなんかな、とさえ思います。

 そういえば括弧の使い方について、私は小説においては括弧内って、その他の文章と違って、あってもなくても文法的に問題がないように付けられると思ってたんですが、『蹴りたい背中』ではそうじゃありませんでしたね。例えば、このブログの冒頭で書いた「芥川賞を3冊(『飼育』は含まない)読んだ」は()がない場合、「芥川賞を3冊『飼育』は含まない読んだ」だと日本語おかしいじゃないですか。本来なら「芥川賞(『飼育』は含まず)3冊読んだ」くらいかなと思ったり。経験則ですが、結構これに則ってあると思いますよ。日常使われがちな、名刺の補足として後からつくやつってあんまりない印象です。主観なので反例はいくらでもあるだろうけど。

 こうやって(文法に差し支えないように)括弧を入れるのって結構難しいもんで、そこに工夫が見られたりすることも屡なので、気にしてみたら少し面白くなるかも知れません笑。

 今回読んだ3冊は(『苦役列車』はそうでも無いけど)どれも話題性主体で受賞したと思えないこともないので、他の芥川賞受賞作を読んでみる必要がありますね。有名どころで田中慎弥村上龍辺り漁ってみるか……。『蹴りたい背中』は稀有な文章力ではあるし『火花』も酷くはしないけど、芥川賞を4作品読んでみて、これらがみんな同じ賞なのはなんだかなぁという感じです。はーーあ!俺も芥川賞貰えないかなぁーーー!!!!なんも書いてないけど!!!!!!