どくしょかんそう文

800字程度で読書感想文を書くと、2週間前にそういったのですが、やる気も起きず書きませんでした。本の内容を忘却していくのは恐ろしいので早めに書こうとは思い、今筆を取りました。8月31日です。読書感想文書かなきゃ!私は普通に感想を800字も書くことをしんどいと思ってたのもありますが、なんで教師に評価されなあかんねん、という考えが少なからずありました。怠惰ちゃんの世間を馬鹿にする悪癖はこんな所でも人生の障壁となり得るんですねぇ、怖い。加えて、ウェルテルの書評がごとく、私は女性の清廉潔白か否かにこだわるので、そんな文章は恥ずかしいというのもありました。でも結局深い考察も立派な感想も、なんも出てこないだけです。では。中学一年生の気持ちになって書きます。小三以降じぶんで考えたことがないので書き方がわかりません。

死者の奢りを読んで    JK 声優   
 「死者の奢り」は大江健三郎による短編小説であり、文壇デビュー作である。短い作品の中に著者の哲学が散りばめられているのは処女作の通例に漏れていない。
 主人公の<僕>は大学で死体を扱う仕事のアルバイトに応募し、同じ大学の女学生と一緒に仕事をする。女学生は身篭っていて、中絶のための費用稼ぎが目的である。<僕>は死者と対話したりしながら仕事を終えるが、そこに助教授が来て、<僕>達の仕事は徒労だったと知らされる。
「死者の奢り」を読んだ印象としては、作品全体が暗く後ろ向き雰囲気で貫かれており、作品が書かれた終戦から高度成長期の間の、未来に対して希望が抱きづらい時代背景が如実に反映されていた。作品の中では死が希望と反対に位置するものとして扱われている。死体と会話し、また「希望を持っていない」という<僕>は生きた大学生の身でありながら、度々人間らしい扱いをされていない。希望を持たない<僕>が死と混同されているというのことは、手押し車の患者とのやり取りからわかる。看護婦は<僕>に優しく微笑むが、初め少年に見えた患者は実際は中年で、<僕>を睨み付ける。私はこれを過去(特に戦争という暗い過去)に執着しながらでは未来に対して希望を持てないという暗示ではないかと思った。その根拠として、死体に敬意を払う死体の管理人さえ、死体を見ていると子供の成長に熱中できないと言っている。
 私が着目したのは、全員同じ仕事に従事する、女学生、管理人と<僕>の関係性である。女学生は胎児をおろす資金稼ぎのためにアルバイトをする。<僕>と女学生は初めは普通に会話していたが、女学生は「胎児は死ぬにしても一旦生まれなければいけないのでは」と逡巡する。これはつまり未来への萌芽を予め諦めることの躊躇を表しているが、この後<僕>は「死体の匂いがする」と女子学生に突き放される。また、管理人についても<僕>は「働きやすそう」という感想を持つが、助教授が来てからは管理人は苛立ち、<僕>は管理人が助教授に圧殺される光景を目撃する。<僕>は一日中疎まれながらも成した仕事が無駄骨だったと知らされ、給料が出るのかも不確かな状況に『膨れきった厚ぼったい感情』が喉にこみ上げてくるのだった。以上よりこの作品では、過去の執着のため希望を持てず、それを周囲から否定される孤独が描かれていると私は思った。
 私は人生にポジティヴではないが、この作品を戒めとし、過去への過度な拘泥のために死者の水槽に浮かんでしまわないようにしたいと思う。

 はい、終わり。1200字くらい。読書感想文なので最後に一文付け加えてみました。普段の書評より字数少ないのに構成がだるいです。まじで描けなかったので「読書感想文 書き方」で検索しましたが、無意味でした。「本を読んで気がついたことを書きましょう」じゃねーんだよボケ。作品で気づくことなんか一々あったら、世界が馬鹿で埋め尽くされている説明がつかんでしょう(それは違う)。
 私はあまり文豪に詳しくないので、まあ比較対象がほぼいませんが、これ読んだ限りはなんか灰色というか暗い文章でしたね。三島由紀夫は私にはオレンジみたいな感じがします(適当)。川端康成は恋愛の美しさって感じであまり好きではないです。後まあ太宰も好きでないです。まあそんくらいしか知らないんですが、色んな文豪の作品読んでる人ってどこから時間作ってんの?二葉亭四迷とか小林多喜二とか代表作が一意に決まる著者くらいのは読んだほうがいいかな、と思っていますが...。おすすめの本があればコメントでくれると嬉しいです。「何が中一や!小一やろ!」という感想も悲しいけど嬉しいです。