コロナに童貞を奪われた

 大学1年生。サークル活動やバイト、場合によっては合コンもあったろう。長いモラトリアムの入り口、スタートダッシュが肝心である。彼女ができて、或いはできなくても、貞操観念の低いJDと成り行きで......なんてことを、春を知らない愚か者たちは考えたものだ。しかしこの状況!(説明は不要だろうが)夢のキャンパスライフは夢のままに終わる。この時点での大学1年次の童貞率は令和において最高だと、私は断言しよう。私の友人は(面子は変わらず)依然童貞ばっかりだ。

面倒になってきたのでここからは丁寧語で。

 こうは言っても、別に私がその『愚か者』の一人で合ったわけではありません。まあ、万が一の希望を全く持たなかったといえば嘘ですが、自分の分は弁えていますから。芸大生じゃあるまいし「実習させろ!」とは言いません。問題は俺じゃないんだよな。

 ここで童貞について確認しましょう。「童貞」「非童貞」という言葉からして、いかにも前者が先に定義されているように思えますが、これは間違いです。ちょっと調べてもはっきりしないんですが、普通に考えて「童の貞操」ですよね、これは明らかに蔑称です。つまり想定としては「性交渉くらい知っている人」が標準なわけです。よって、童貞の定義は「非童貞でない人」となります。話が全く前進していないように感じるでしょうが、はっきりさせたかったのは「童貞はそうでない周りによって規定される」ということです、長いね。

 俺はセックスできてない、周りもセックスできてない。大学生なのに、みんな童貞。置いていかれて、ない。劣等感も、屈辱も、嫉妬も、呪いもない。童貞を否定するのは非童貞である一方で、童貞の存在が許されるのもまた非童貞のおかげだったのだ。汚い嫉みがなければ、私は童貞にさえなれやしない。

 コロナのために彼らは非童貞になれませんでした。故に私も童貞との意識が薄まりつつあるのか。コロナに童貞を奪われた。コロナに童貞を奪われた。

 

 

 Make Boys Have Sexes!!  Make Girls Have Sexes!! 

 Make Him a Perficient!!  Make Me Dotei Again!!